日本救急クリニック協会の理事長を務める上原淳です。
私どものいる救急医療の現場では、ままならないことはよくあります。
それでも、ひとつひとつ工夫を積み重ねて、できることを少しずつ広げていくことは楽しみでもあります。
本来なら三次救急より前の段階で一次救急・二次救急として対応することで、本当に重篤で今すぐ処置が必要な患者さんが、三次救急という最後の砦に辿りつけるようになる道が開けていれば1番良いのです。
そういった緊急の処置が必要な患者さんよりも、状態が重くはない患者さんをこちらで引き受けることで、少しでもその偏りを引き戻せないか、そんな考えから川越救急クリニックを開院することになりました。
いまここに日本救急クリニック協会を設立するにあたって、もう一度、私がなぜ救急医療の可能性を探るために、個人の救急クリニックを開院したかをふり返ると、その誰もがチャレンジしたことのない領域にいま自分がいることが、他の医療従事者の方々のなんらかの役に立てるなら、それに越したことはないと考えたからです。
ただ、こういったことは、しくみもないままに都市型救急クリニックを本格的に普及させていこうとすれば、それはどこかで行き詰まってしまう恐れがあり、だからこそあえて日本救急クリニック協会というしくみを設立するに至ったのです。
個人のがんばりはもちろん大事です。そして、より多くの人に伝えたいことを伝えていくためには、伝えていくがんばりを支えるためのしくみもまた両輪のように必要なのです。
都市型救急クリニックは、これからの都市に必要となるしくみだと、ずっと考えています。
そのため、このしくみを含めて、三次救急がもっと三次救急であるような流れを作るためにも、一次・二次救急の現場において、皆様の知恵をお貸しいただきたく思います。
都市型救急クリニックにご興味のある方、ご支援していただける方、医療従事者の方、もしほんの少しでも引っかかる何かがあれば、ぜひ参加してみてはいかがでしょうか。
さまざまな立場、さまざまな職種、さまざまな方々のご参加を、お待ちしております。
日本の救急医療が、ほんのわずかでもよりよくなるよう、私も粉骨砕身して参ります。
どうかご支援、ご助力いただきますよう、よろしくお願いいたします。
理事長 上原 淳